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安全管理講演会を開催いたしました(講師:東京農工大学大学院 中村昌允教授)

2010年07月06日

当社では、スローガンとして「安定した会社から安心な企業へ」を掲げ、安全であるばかりでなく、さらに進化した安心な企業を目指しています。
環境安全要綱では、環境保全を全うするとともに事故・災害の未然防止のため、社員の予防保全能力を向上させることを目的として、研修および訓練を重要なことと位置付けています。
この要綱に基づく社内研修として、全国安全週間、全国鉱山保安週間の行事の一環で、平成22年7月6日、当社千葉事業所にて安全管理講演会「化学プラントの事故から学ぶこれからの安全管理」を開催いたしました。

講師に東京農工大学大学院教授、中村昌允(まさよし)先生にお願いいたしました。中村先生が「化学装置」誌の本年正月号に寄稿された「最近の化学プラントの事故と現場力」を拝読し、中村先生のご主張が当社の目指す予防保全の考え方と同じベクトルであったことによるものです。

講演は先ず、先生が現職にご就任される前に所属された民間会社で当事者としてご経験された事故について、その概要と経過、事故の原因の究明を率直且つ真摯にご披露され、事故からの教訓として、3点に纏められました。

1.設計・計器への対応としてリスクアセスメントの重要性
2.条件変更、特に変更の管理のルール化
3.生産の不具合が発生した場合の現場の権限と上長への報告の重要性

これに引き続き、ご講演は化学プラントの事故事例に止まらず、六本木ヒルズの回転ドア事故、JCO臨界事故、原発の配管破裂事故、JR福知山線脱線事故等、数多くの事故事例をご紹介され、それらの事故から学ぶべき教訓をご教示いただきました。

まとめとして、「事故はヒューマンエラーによるものか?」と訴えられ、「事故には、直接原因と背景原因がある。直接原因を取り除いても、背景原因に手を打たなければ、事故は再発する」と述べられました。結論としては、「人は過ちを犯す」、「機械はいつか壊れる」の二点を強調され、これを受けて「設備に関する危険を人間の注意で防いでいる。人間はミスを犯すもので、常に事故の可能性が付きまとっていることが忘れられている」と述べられ、事故が起こらないよう、常にリスクアセスメントを徹底し、人間がエラーをしてもそれが事故につながらないように、リスクマネージメントが重要なことを教え諭(さと)して下さいました。そして、ご講演の最後は、「安全は、当たり前のことを、ぼやぼやしないで、ちゃんとやること」と結ばれました。

聴講者は、普段の業務上にに思い当たる節があるのか、身につまされる思いで中村先生のご講演に水を打った静けさで聞き入っておりました。
なお、中村先生におかれましては、ご講演に先立って千葉事業所内をご視察賜り、「この会社の良いところは、整理、整頓、清掃、清潔、躾が徹底されており、どこでも挨拶が交わされ、みんなで安全に気をつけて会社を盛り立てていることである」とお褒めをいただきました。

安全管理講演会

中村昌允(まさよし)先生による講演

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