かん水からヨウ素を製造する方法は過去にさまざま試みられましたが、現在は主にブローアウト法とイオン交換法の2つが利用されます。
ブローアウト法
気化しやすいヨウ素を空気で追い出します。
イオン交換樹脂法
イオン交換樹脂に吸着させて濃縮します。
生産方法:ブローアウト法
前述のブローアウト法では、ヨウ素の溶解度が低く、気化しやすい特性を利用しています。
二本の指で広げると、画面が拡大表示されます。
工程①
かん水に酸化剤を加える
かん水に溶解しているヨウ化物イオンI-のままでは気化しないため、かん水に酸化剤を加えてヨウ化物イオンをヨウ素分子I2にします。
工程②
ブロワーで吹き込む
放散塔と吸収塔が対になったブローアウト塔の放散塔塔頂から、ヨウ素分子に酸化されたかん水を降らせます。
ブロワーを用いて空気を向流で吹き込み(=ブロー)ます。
そうすることで、ヨウ素分子だけを気化させ、かん水から追い出します(=アウト)。
工程③
濃縮したHI液をつくる
吸収塔内では還元剤を添加、循環させています。
放散塔から追い出されたヨウ素分子をヨウ化水素酸HIとして還元吸収します。
かん水中のヨウ素濃度と比較して約1,000倍に濃縮します。
工程④
ヨウ素の結晶をつくる
この濃縮したHI液を抜き出し、酸化剤を加えるとヨウ素が晶析します。
工程⑤
液体ヨウ素にする
このヨウ素の結晶を溶融釜で加熱溶融して、液体ヨウ素にします。
工程⑥
液体ヨウ素を精製する
液体ヨウ素と不純物を含む酸溶液は比重差により分離し、精製されたヨウ素を液体のまま、造粒塔内に滴下します。
工程⑦
球状のヨウ素をつくる
液体ヨウ素は造粒塔下部の水槽で冷却固化、球状のヨウ素となります
が、水分を含んでいるため、回転乾燥機で乾燥します。
工程⑧
出荷
このようにして製造した、純度が高く、形状、粒度の揃った高品質のヨウ素を計量して、容器に充填し、プリル製品として出荷しています。
プリルヨウ素
最後に溶融しヨウ素を、落下式造粒塔でプリルと呼ばれる小粒径の粒にします。
プリルヨウ素製造法
当社ではブローアウト法を採用しています。また、お客様の要望に応え、形態をプリル化して、ハンドリングの良い製品を出荷しています。
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