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「フタロシアニン系色素の原料化合物(ジイミノピロール化合物)」の新製法の確立

2020年11月12日

当社は、このたびフタロシアニン系色素の原料化合物であるジイミノピロール化合物の新製法を確立しました。(特許出願中)
ジイミノピロール化合物は有機顔料として広く普及しているフタロシアニン系色素の原料となる化合物で、フタロシアニン顔料は青色から緑色の色相で、非常に鮮明で着色力が強く、光、熱、温度等に対して安定で堅牢性に優れていることから、印刷インキ、塗料、プラスチック、文具、捺染など広範囲な分野で用いられています。
ジイミノピロール化合物は工業的にはフタロニトリル、もしくは無水フタル酸から合成することが広く行われていますが、これらの合成法では毒性の強いシアン化合物や強酸化剤を用いるため、環境への負荷軽減や安全対策が大きな課題となります。一方、当社の新製法は、容易に入手できる3-ピロリン化合物を出発原料として、シアン化合物や強酸化剤を用いない温和な条件下での合成で、環境負荷の低いヨウ素化剤とアンモニアで処理することにより、経由化合物なく直接ジイミノピロール化合物を製造するというもので、従来の製法と全く異なる独創的・革新的な新製法で当社のヨウ素技術をもとに生まれたものです。
また、新製法の特長として、不安定な複素環を有するジイミノピロール化合物の合成が可能で、今後当社単独または他社と連携して、種々の機能を持ち産業的価値の高い高機能な複素環型フタロシアニンの開発に取り組んでまいります。
当社はヨウ素技術向上のため複数の大学教授の方々と共同研究を行っています。本新製法技術に関しましては、2007年より千葉大学・東郷秀雄教授と同教授の開発された合成技術をベースとする共同研究に取り組み、新規合成法を開発する一環として生まれたものです。

<本件に関するお問い合わせ先>
㈱合同資源 技術研究所 (TEL: 0475-32-2696)  担当: 小松、山田

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